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株式投資の意義

前項「株式投資はギャンブルではない」で述べたように、会社が増益することに応じて株主の利益も増える為、期待値がプラスになります。このように株式投資は、金銭面から見て「ゼロサムゲーム」であるギャンブルとは異なりますが、社会的意義から見てもギャンブルとは一線を画した行為なのです。

ある企業の株式に投資するということは、その企業に出資することであり、企業の経済活動を支える行為です。企業が経済活動を行うためには「資金」が必要ですが、資金調達の方法は銀行からの借り入れや社債発行などの「デット(Debt:借金)」と、株式発行による「エクイティ(equity:出資)」があります。デットは借金ですからいずれ返済しなければなりませんが、エクイティは返済不要の資金です(その代わり会社の議決権などを渡す)。

株式を購入するという行為は、投資家サイドから見れば会社の利益を出資範囲に応じて受け取る投資行為ですが、企業サイドから見れば資金調達の一つの手段なのです。デットとエクイティのどちらが有利なのかはケースバイケースですが、どちらの手段も使える状態であることが望ましいといえます。

「証券市場で株を買うのは出資ではない」と反論する方は、かなり高度な知識のある人ですね。確かに厳密に言えば、会社に出資する形になるのはIPO(新規上場)や増資の際に直接購入する人だけで、証券市場を通じて二次的に株を購入した人は、別の株主から「投資金額に応じた会社の利益と損失(リスク)を受け入れる権利を譲り受けた」行為に過ぎず、会社に直接出資した訳ではありません。

「出資」ではないが重要な行為

しかし会社にとっては、たとえ証券市場での株式購入であっても、自社株を買い支えてくれる株主がいることは重要です。市場で株を買ってくれる人がいなければ株価は暴落し、新たな資金調達の際などで不利に働くからです。

まずエクイティでの新規調達(増資・新株発行)は、株価が低迷している場合は多数の新株を発行せざるを得ないので、既存株主の利益希薄化を招くだけでなく、買収工作などを受けるリスクも高まります。

一方でデットでの資金調達(借り入れ)でも、株価は影響します。株価が低い場合は自社のバランスシートが痛んでいる状態なので、貸し手である銀行などはハイリスクな融資になります。そもそも銀行は、融資先企業の株を保有していることも多いので、株価下落は銀行側も直接的に損害を被っているはずで、その企業の評価は大幅に悪化しているはずです。つまり株価の下落は2重の意味で、銀行からの新規借り入れを難しくします。

このように企業にとっては、株価が高値で安定していることは、資金繰り=経営を安定させる為に非常に重要です。IPOや増資などでの一次的出資者だけでなく、証券市場で自社株を買ってくれる二次的な出資者も、同じようにありがたい存在だといえます。ゆえに、投資家が証券市場を通じて株式を購入することは、企業の「役に立つ行為」であり、ギャンブルではなく立派な経済活動の一環なのです。

このように、株式投資は社会的な意義があり、決して恥じたり後ろめたさを感じる行為では無いのです。だから投資家は、会社が上げた利益を、堂々と受け取っても良いのです。



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