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海外投資は利益確定(利食い)してはならない!

海外投資に限りませんが、株価が想定以上に値上がりした場合に「利食い(利益確定の売却)」を薦める専門家や書籍が少なくありません。また、株式市場の暴落に備えて「手じまい」を推奨する専門家も存在します。 データ上、市場が過熱しすぎている=バブル状態だと判断できる時は、いったん持ち株を全て売却してしまえという考え方です。読み通り暴落すれば、再び株を買い付けてポートフォリオを元通りにするのです。

こういった考え方は一見、理に適ったように見えます。しかし長期投資で資産運用を考える場合、途中で一旦持ち株を売却することは、絶対に止めた方がよいのです。

まず第一に、利食いを推奨する人達は、株式を売却するときに売却益に税金がかかることを全く考慮していません。2009年現在、株式の売却益には10%(減税中。本来は20%)の税金が掛かります。その為、暴落を予想して一旦利食いした場合、売却値から概ね20%以上の値下がりが起きない限り、かえって損をすることになります。

例えば10万円で買った株が30万円まで値上がりしたが、これはバブルであり値下がりするだろうと予想したとします。この株を売却すると20万円の売却益が発生しますので、申告分離課税で10%分=2万円の税金が取られます(将来は20%の4万円になる?)。

この株が、目論見通り売却直後から値下がりしたとしても、28万円以下まで値下がりして、しかもその時点でしっかり買い直せない限り、税金で損をすることになります。税率が20%に戻れば26万円がボーダーラインとさらに厳しくなります。(税金が株式投資に与える影響

しかも、たとえ暴落が来たとしても、自分の売値よりもしばらく値上がりを続けた末での暴落なら、思うように利益が出ない可能性が高いです。上記のケースでいえば、30万円で売却したものの、その後も株価は40万円まで値上がりを続けてから、値下がりが始まったとします。この場合は最低でも30%(12万円分)以上の値下がりが起きない限り赤字ですから、ハードルは一気に高くなります。

もちろん、株価が下がりきらずに売却値よりも値上がりしていくケースも考えられます。その場合は、値上がり益を失うことになり丸損です。

バブルは長続きする〜いつ・どれだけ暴落するかは読めない

そもそも、様々なデータから市場が過熱していると予想できても、実際にいつ・どの程度株価が暴落するのかは誰にも分かりません。 一般的にバブルというのは、市場が思っているよりも長続きする傾向にあります。

例えば2000年に崩壊したITバブルですが、グリーンスパンFRB議長は1996年の段階で、すでに「根拠無き熱狂だ」と警戒発言をしていました。2007年夏に崩壊した米国の不動産バブルも、2004年頃からすでに「異常だ」と警笛を鳴らす専門家が多くいました。記憶に新しい2007年頃からの原油バブル時も「100ドル越えは明らかにバブルだ」との声が多数派でしたが、結局147ドルまで上昇しました。

バブルだと思って早々に売却をしていたら、大きな機会損失(設け損ね)が生じた訳です。ましてや空売りを仕掛けたりしていたら、その後の上昇相場で破産しているかもしれませんね。株価が一本調子で上がり続けるということはありません。どこかの段階で必ず下落局面は現れますが、いつ・どれくらい暴落するのかは誰にも分かりません。

しかし、売却益にかかる税金分は、確実に利益を蝕んでいくのです。そもそも、途中で売却すれば税金を取られ、その分元本資産が減少するので複利効果が失われます。ましてや海外投資の場合、日本株に比べて売買手数料が割高です。値動きが読めない以上、下手に売買して暴落を避けようなどと欲張らず、バイ&ホールドし続ける方がはるかに安全です。

歴史的に見れば、株価は長期的には値上がりしていくという、確固たる事実があります。理論的に暴落が近そうだと思われても、実際には何もしないで傍観しておくことが、実は最も賢明なのです。予測不能な暴落に期待するより、確実に引かれる「税金」を避けるべきです。



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