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個人はプロ(機関投資家)よりも実は有利である

株式の世界は魑魅魍魎です。プロの投資家(機関投資家)は、一流大学で金融工学を学んだ秀才達を抱え、莫大な資本力を持って株式市場に参入しています。当然ながら、彼らは情報収集力も高く、常に儲けの機会を窺っています。

そんなプロの投資家達に、我々アマチュア(個人投資家)は太刀打ちできない・・・と考えている人が多いはずです。確かにデイトレードなどの短期売買では、プロ達の方が圧倒的に有利な立場にいます。

例えばゴールドマンサックスのように、莫大なコストを掛けて、一般の投資家よりも一瞬(ゼロコンマ数秒)早く情報を入手〜売買出来るシステムを構築している会社もあります。またデイトレードでは、多額の売買注文を出せると、相場のトレンドを作り出すことが出来るので、圧倒的に儲けやすくなります。そして売買コストも、大口の投資家ほど相対的に安くなりますから、プロ達の方が有利です。

このように、デイトレードでは個人がプロに勝てる余地は、理論上ほとんどありません。しかし、期間が長期になれば、実は立場が逆転します。長期投資では、プロ達は様々な制約があるために、個人投資家に敵わなくなるのです。

理由の一つは、彼らは「人のカネ」を運用しているので、常に短期間で結果を出すことを求められることです。証券会社の自己売買部門にしろ、投信やヘッジファンドにしろ、彼らは4半期ごと〜長くても1年ごとに、結果(高いリターン)を出すことを求められます。そのため、例えば「今は低迷しているが、将来的には有望な企業」の株を買い、株価が上がることを気長に待つ・・・といったことが出来ません。

期間の制約やスリッページが不利に働く

もう一つの理由は、機関投資家は「規模のデメリット」を受けることです。前出のように、デイトレードでは資金量が多いほど、相場トレンドを作り出せるので有利です。しかし中〜長期投資の場合、大量に資金を持つ機関投資家ほど、スリッページに悩まされることになります。

スリッページとは、自分の売買が株価を不利な方へと動かしてしまうロスのことです。例えば、個人が出す買い注文は、せいぜい数十〜数百万円単位ですから、その注文が相場に与える影響は皆無です。しかし、売買代金が数億円単位になる機関投資家は、自らの買い注文が株価を釣り上げることになり、結果として平均買い付け単価が割高になってしまいます。同様に株を売却する際も、自らの膨大な額の売り注文で株価が釣り下がり、平均売却単価が割安になってしまうのです。

またスリッページは、売買高の小さい〜時価総額の小さい企業ほど大きく影響しますから、プロの投資家は小型株を買いづらいのです。長期的には、大型株よりも小型株の方が利回りが高くなるというデータもありますので、ここでもやはりアマチュア投資家の方が有利だといえます。スリッページは、株価がセリ形式で決まるという仕組み上、大資本の投資家は避けられない問題なのです。

まとめると、投資期間の自由度、投資対象の自由度、そしてスリッページによるロスが無い分、個人投資家はプロの投資家達よりも(長期では)有利なのです。実際に、世界一の投資家であるウォーレン・バフェットも「個人投資家はプロに十分勝てる」と言っています。



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