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新興国投資が有利な理由

当サイトでは、中国やインドなどの新興国へ多く投資することを推奨しています。その理由は、高い経済成長率ゆえの株価上昇余地の大きさが一つ。その国の長期的な株価の上昇率は、名目GDP成長率に比例する事が、明らかになっています。そしてもう一つが、新興国の為替レートが長期的には切り上がっていく可能性が高いことです。

為替切り上げの威力がどれほど大きいのかは、かつての日本とアメリカの関係から理解できます。

日経平均株価は1960年の初値は869円でした。それが日本の高度経済成長と共に急上昇を続け、1970年の初値が2402円になります。そして、バブルのピーク時(1989年終値)には38915円まで上昇しました。これを複利利回りに直すと、1960年に日経平均に投資した人は年率13.5%、70年開始の人は14.9%になります。60年に投資した人は、30年間で約45倍、70年に始めた人は20年間で約16倍に、資産を増加することが出来ました。しかもこの数値は指数ベースであり、その間の配当金は計算していないので、実際の利回りはさらに高くなります。

アメリカ人が日経平均に投資したらこれだけでも非常に大きい利益ですが、実はもっと大きな利益を得たのが、日本に投資していたアメリカ人です。ドル円の為替レートは、1973年までは1ドル=360円の固定相場でしたが、その後は変動相場に移行し、1989年末には1ドル=143.8円にまで円高・ドル安が進みました。この円高を考慮すれば、同じように日経平均に投資していたアメリカ人は、株価の上昇以外に、為替レートが約2.5倍に切り上がった為替差益も、同時に享受できたのです。1960年に日経平均に投資したアメリカ人は、1989年末に(ドル建てに直せば)何と112倍にまで利益は膨らんだのです!

もう少し正確に、日米の物価上昇率の差異を調整した数値を出してみましょう。1960〜89年では日本が平均0.6%ほど物価上昇率が高く(米4.9%、日5.5%)、1970〜89年では逆にアメリカが0.9%物価上昇率が高かった(米6.2%、日5.3%)ので、それを調整した数値もグラフに載せています。

物価の変化(購買力平価)を加味して考えても、アメリカ人は日本人に比べて、20年間で2倍強、30年間で3倍近い利益が得られた計算です!新興国の為替レートの上昇は、先進国の人間にとっては、極めて大きな恩恵をもたらすのです。

  日本人 アメリカ人 日米物価差 アメリカ人
(物価調整後)
1960〜89年 年13.5%
【45倍】
年13.5%+為替2.5倍
【112倍】
日本+0.6% 年(13.5%+0.6%)+為替2.5倍
【129倍】
1970〜89年 年14.9%
【16倍】
年14.9%+為替2.5倍
【40倍】
アメリカ+0.9% 年(14.9%-0.9%)+為替2.5倍
【35倍】

日本人が人民元切り上げの為替差益を受ける時が来る!?

これと同じことが、今の中国やインドと日本の関係でも起きるのではないでしょうか?人民元やインドルピーは現在、かつての日本のように米ドルにペッグ(固定レート)しています。

確かに両国ともに、すぐには変動相場制に移行するとは考えにくいです。人民元が大幅に安いレートであるのは間違いありませんが、中国政府は人民元の切り上げを外交カードとしており、今後も一気に切り上げることは行わないでしょう。またインドは慢性的な貿易赤字国なので、現状ではルピーの為替上昇圧力は皆無です。

しかし中国やインドは、向こう数十年に渡って高度経済成長を続けるのは、ほぼ間違いないでしょう。また10億人を超える巨大なマーケットが存在するので、欧米企業の中国・インドへの直接投資は間違いなく激増していきます。そして政治的にも国内経済的にも、両国が永久にドルペッグを続けていくことなど無理なのです。

同時に、日本円の価値も(少子高齢化や借金増大などで)長期的に見れば下落していくことはほぼ確実です。ゆえに、10年20年といった長期で見れば、新興国の為替レートは、日本円に対して上昇していく可能性が極めて高いのです。

かつてアメリカ人は、日本への投資で、経済成長(株価上昇)と為替差益という、2重の恩恵で巨大な利益を上げました。そして今、日本人が中国など新興国への投資によって、株価と為替の2重の恩恵を受けるチャンスが存在しているのです。新興国に潜在する様々なリスクを差し引いても、投資する価値は十分にあると思います。

 

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