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小型株の利回りは市場平均よりも高くなる

株式投資でインデックス(市場平均)よりも高い利回りを記録する方法として、低PER戦略や高配当戦略を紹介しました。そしてこれらと同じく、日経平均やNYダウなどのインデックス指数を上回る方法として、小型株戦略があります。

アメリカでは長年のデータを分析した結果、ニューヨークダウ平均株価に採用されるような大型株よりも、時価総額が小さく株価指数に占めるウエイトが低い小型株の方が、平均すればリターンが大きくなることが分かっています。

ジェレミーシーゲル著「株式投資(第4版)」のデータによると、米国市場の約4200の銘柄を時価総額順に10段階に分け、1926年〜2006年の平均利回りを調査した結果、時価総額が最も小さい分類が最大の利回りを上げ、最も利回りが低かったのが時価総額が最大グループだったということです。そして年率利回りは、時価総額が小さくなるほど高まる傾向にあるようです。

分類 企業数 最大企業の時価総額 全体への割合 年率利回り
最大 168 371,187,368 61.64% 9.60%
2番目 179 16,820,566 13.81% 11.00%
3番目 198 7,777,183 7.24% 11.35%
・・・ ・・・ (中略) ・・・ ・・・
9番目 660 626,955 1.92% 12.09%
最小 1744 314,344 1.47% 14.03%
合計 4252 - 100% 10.31%

小型株の利回りが高くなる理由

小型株が市場平均よりも優れた利回りを記録する理由は、諸説があります。しかし筆者は単純に「大企業になるほど成長余地が小さいから」だと考えます。

株価というのは、短期的には需給によって変動しますが、長期的には企業の収益力に比例して上昇します。株主の利益は「一株利益」で表せますから、長期的には一株利益の増益率に比例して株価は上昇することになります。

一株利益を増やすことは、業務効率化(経費削減)でも可能ですが、基本はやはり売上げを増やすことです。すると、元々の売上げ規模も小さい小型株の方が、大型株よりも大幅に増益することが可能となります。ウォルマートやマイクロソフトやトヨタなど、元々の売上高が何十兆円もある企業が売上げを倍増するのは至難の業ですが、売上げが100億円の企業なら、10倍・20倍に増やしていくことだって可能です。

小型の企業は倒産確率も高いですが、売上げを数十倍〜数百倍に延ばしていく高成長の企業も多いので、平均して見れば大企業よりも増益率が高いことになります。だから、小型株のパフォーマンスが大型株よりも優れる結果になるのだと考えられます。先進国よりも新興国の方が株価リターンが高い=経済成長率と株価が相関するのと、同じ理屈ですね。

海外ETFの中には、大型株は除外して小型株へ投資するETFも存在します。日本のネット証券で買えるものなら『バンガード・オールワールド・スモールキャップETF【VSS】』や『iシェアーズ・ラッセル2000・インデックスファンド【IWM】』などが、中〜小型株に分散投資するETFとなります。インデックス投資よりも高い利回りを狙いたいのなら、投資金額の一部をこのような小型株ETFにも振り分けることが有効かも知れません。



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