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インデックス投資の致命的欠点

当サイトでは、一切の手間を掛けずに平均点を取る『インデックス投資』が基本だと解説しました。インデックスファンドに資金をぶち込んでおけば、後は放ったらかしで市場平均と同じリターンが得られる訳ですから、確かに悪くないように思えます。

しかしインデックスファンドは、致命的な欠陥を抱えており、投資家のリターンの足を引っ張っている部分があるのです。

インデックスファンドというのは、時価総額加重平均といって、株式時価総額の大きい銘柄ほど多く保有する仕組みを取っています。例えばTOPIXは、東証一部に上場する1600以上の銘柄を全て網羅していますが、トヨタや任天堂など時価総額が大きい銘柄は2〜3%の割合を占める一方、0.1%にも満たない割合の無名の小銘柄も沢山あります。

この時価総額加重平均というのが、最も大きな問題をはらんでいます。時価総額というのは「発行株式数×株価」で算出しますが、時価総額は売上高や純利益など企業の本当の大きさ・実力とは必ずしも一致しません。何年も赤字で全く利益が出ていない企業でも、人気になって株価が高騰していれば、時価総額は大きくなります。

この問題が露呈したのは、2000年前後のITバブル期です。21世紀はIT産業の時代になると言われ、アメリカではIT関連銘柄が爆発的な人気を集めました。シスコシステムズ、AOL、ヤフーなど、PERが100倍以上になる銘柄が続出しました。アマゾンは設立以来ずっと赤字にも関わらず、時価総額が300億ドル(3兆円)を超え、多くの人が何の企業かすら分からないシスコが、時価総額世界一(約50兆円)になりました。

時価総額加重平均には大きな問題がある

ロクに利益が出ていなくとも「時価総額加重平均」であるため、NASDAQ指数S&P500指数は、これらのIT銘柄を大量に取り込みました。当然、インデックスファンドにも大量のIT銘柄が「高い割合で」組み込まれました。そしてITバブルは崩壊し、2002年末までにS&P500は約50%、NASDAQ指数は約80%もの大暴落に見舞われました。割高株を大量に取り込んだせいで、インデックス投資家は大きな損害を被る事になりました。

もし『インデックス』が単に時価総額順に割合を決めるものではなく、企業の利益に基づいて割合を決めていれば、投資家の損害は半分以下で済んだだろうと言われています。

また、企業の買収合戦に巻き込まれて、一時的に株価が暴騰する事も多々あります。2008年にはドイツのフォルクスワーゲンが買収されるとの噂から株価が暴騰し、一時は時価総額世界一になりました。しかし買収話が収束して株価は暴落、投稿執筆時(2009年8月)では、株価はピーク時の4分の1ほどになっています。MSCI・EAFEなどドイツ株を多く保有するインデックスファンドは、その後の暴落で損失を出す事になりました。

いつの時代にも、人気先行の割高株というのは存在します。インデックスファンドの最大の欠点とは、何も考えずに時価総額だけで算出する為、『人気先行の割高株をオーバーウエイトで買い付ける』点にあります。この欠点は、時価総額割合でインデックスを算出する限り、永遠に解決されない問題です。



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