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ホームカントリーバイアスを捨てろ!

日本では、株式投資している人でもほとんどが日本企業だけへの投資で、外国株へ投資している人は極めて少数派です。日本人はとにかく「ホームカントリーバイアス」が強い国民性なようです。

ホームカントリーバイアスとは、自国のポテンシャルを過剰に評価して、外国株を軽視して自国株ばかりを買うような状態のことを言います。海外投資を薦めている株式評論家でも「日本株と外国株の比率を50:50位で投資すべし」と唱える人は多いです。しかし筆者に言わせれば、資産の半分も日本株に投資するというのは、余りにも日本企業や日本経済を過信しすぎで、ホームカントリーバイアスが強すぎると思います。

日本人が日本企業を過大評価する原因は、テレビや新聞などで「日本企業の技術力は世界最高だ」との論調が極めて多いからです。確かに日本企業の技術力は世界最高レベルですが、技術力が優れていることと、その企業の株価が上昇することとは全く別問題です。

というのは、日本企業はマーケティング力が極めて弱いので、グローバル市場で勝ち残れるとは限らないからです。特に日本の二大産業である自動車と家電は、長年アメリカ市場ばかりに注力してきたせいで、中国など新興国では欧米企業だけでなく、韓国など新興国企業にすら大きく遅れをとっているのが現状です。

グローバルマーケット、特に今後最重要な市場となる中国・インドなどの新興国では、現地で優位にビジネスをする為の交渉術やマーケティング力が最も重要です。品質が良いもの、高機能なものを作っていれば売れるのは、あくまで日本市場に限定される法則であり、新興国市場では安くてシンプル・使いやすい製品が圧倒的に売れています。ノキアの携帯やサムスンの液晶テレビが新興国で圧倒的に売れている一方、性能では上回っているはずの日本製品が苦戦しているのは、現地のニーズを捉えていないことの証明です。

技術力は世界一でもマーケティングや交渉力は3流

そしてマーケティングの方向性が間違っていただけでなく、日本人は交渉事に極めて弱いことも問題です。これは日本の外交が世界一下手糞な点からも明らかです。外務省の役人は日本の最高学府(東大)を出ているにも関わらず、外国との交渉では常に失敗しています(注)。特に近年はG7・G20にせよ、京都議定書にせよ、国際会議で日本は常に不利な条約を結ばさせられています。

一方で例えば韓国などは、技術力は未熟でも、得意の厚顔を生かして外交交渉では非常に強いです。日本の単独開催で決まりつつあった2002年ワールドカップが、突然『日韓共催』になったことは、韓国の外交力の強さ(日本の弱さ)を最も端的に示した事例です。

日本は技術力は世界一でも、マーケティング能力や交渉術は世界最弱だと言っても過言ではありません。マスコミの情報を鵜呑みにして、日本企業に投資しておけば資産が増えていく・・・なんて暢気に構えていては大けがをしかねません。

無論、全ての日本企業がダメというわけではなく、新興国で成功を収めている企業も少なくありません。しかし、日本企業を贔屓目で見ることを止め、もっとグローバルな視点を持って、海外の企業にまで投資対象を広げるべきです。

例えば「賢者の海外投資術」の著者・橘玲氏は、人的資本(給与所得)が日本円で貰うことを考えれば、日本株への投資はゼロでも良いというセンセーショナルな考えを示して、物議を醸しました。筆者もこの考えには基本的に賛成で、日本株への投資比率は10%未満で十分と考えています。ホームカントリーバイアスは、国際分散投資においては完全に不要なのです。

注:東大出身の官僚の交渉能力がゼロなのは、ある意味当然とも言えます。東大に入るには話術は不要で、暗記能力だけに秀でた世間知らずのガリ勉君ばかりが合格するのですから。日本は外交に関して、ロビイストや交渉屋を雇う方が良いのかも?



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