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人民元FXの問題点

人民元といえば、中国政府が為替レートを完全管理している、ガラパゴスな通貨というイメージを抱くことでしょう。しかし2014年現在、人民元も米ドルやユーロなどと同じように、FX(外為証拠金取引)による投資が可能になっています。FXで人民元の扱いがある会社は、セントラル短資、KakakuFX、上田ハーローなどです。

米国やユーロ圏がゼロ金利政策が続いており、FXの大きなメリットであるスワップ金利がほとんど無くなっています。2014年の8月時点で、円売り米ドル買いのスワップ金利は一日あたり1〜3円程度、年率に直して0.1%あるかどうかという金利です。一方で人民元は1日あたり約6円、但し元はドルの1/10程度の通貨単位なので、年率の金利は2%超になります。レバレッジを掛けて投資することも可能なので、年10%以上の金利を得ることも可能です(無論リスクは上がりますが)。

人民元の為替レートは2005年以降、米ドルに対して徐々に切り上げ〜つまり元高方向へ動いています。このまま元の切り上げが続けば、円売り元買いのFXを行えば、売買益(為替差益)とスワップ金利の両方が得られる計算です(⇒人民元の適正レートは幾らか?)。非常に美味しい投資に見えますが、人民元FXには幾つか注意すべき問題点も潜んでいます。

まず一つ目の問題点は、人民元FXには2種類あり、片方は使い物にならないということです。人民元FXは

・CNY=東京金融取引所に上場する「くりっく365」
・CNH=通常の人民元FX(セントラル短資など)

この2種類がありますが、くりっく365の人民元FXは、スワップ金利が元を売る場合も買う場合でもマイナスになることがあります。というか、両方マイナスの状態の方が多いです。くりっく365で扱う人民元(CNY)は、中国本土で経由で取引されるものなので、政府(中国人民銀行)の厳しい統制下にあるため、流通コストが高く、仲介業者も完全自由な売買が出来ないから、スワップ金利が両方マイナスというデメリットの原因になるようです。

一方で、セントラル短資などで売買できる人民元(CNH)は、香港のオフショア市場で取引されている人民元を原資にしているので、CNYに比べて自由度が高く、他の通貨とほぼ同様のスワップ金利が付けられるのです。ですからまず、くりっく365の人民元FXはデメリットが大きいので使ってはいけないことに注意が必要です。

スワップ金利の変動や人民元の切り下げリスク

二つ目の注意点は、当稿執筆時(2014年)には人民元FXの円売り投資を行えば、年率2%以上のスワップ金利が得られますが、これは将来大きく変動する恐れもあります。スワップ金利は投資先の国の金利が得られるのではなく、両国間の金利差がベースになります。つまり

買った通貨の金利 − 売った通貨の金利 =スワップ金利

ということです。後述するように中国は経済減速の懸念が高まっているので、利下げが行われる可能性もあります。また中国の金利が変わらなくとも、日本の政策金利が引き上げられれば、スワップ金利が減少します。日本では黒田日銀がインフレターゲット政策を導入しており、これはゼロ金利政策の脱却を目指している事になります。よって近い将来、人民元FXで円売りを行っても、スワップ金利が得られなくなる問題が起きる可能性があります。

最後に最大の注意点を。人民元切り下げの影響のページで述べたように、2013年以降の中国はシャドーバンキング問題が発覚し、経済の急ブレーキが懸念されています。不動産バブル崩壊により中国経済が危険になれば、政府は経済を下支えする目的で人民元の切り下げを行う可能性が高いです。つまり、為替レートが「元安=円高」に振れるため、人民元FXで円売り=元買いをしていると、為替差損が発生するリスクが極めて高いのです。

ですから人民元FXを行うなら上記のような問題点があることを認識し、リスクの高い投資だという意識を持ち、常に中国経済の動向に注意しておく必要があります。

 
 

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